第35回2019年ACAP消費者問題に関する「わたしの提言」表彰式

1月15日に開催されたACAP新春講演会&賀詞交歓会において、2019年ACAP消費者問題に関する「わたしの提言」の受賞者の発表と表彰式が執り行われました。第35回目となる今回は、6つの募集テーマに対し62作品の応募があり、厳正なる審査の結果、5作品が受賞作に選ばれました。
また、試行期間の初回を含め5年目を迎えた中学生を対象とした「消費生活に関する作文コンクール」は、応募総数が370作品にのぼり、表彰式では最優秀賞1名、優秀賞1名、入選3名が紹介されました。
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表彰式では、まずACAP消費者啓発委員会・羽鳥敏彦委員長から応募状況や審査結果の報告がありました。続いて審査委員を代表して日本消費者教育学会の東珠実会長より、各受賞作について丁寧な講評をいただき、受賞者の皆さんはコメントに熱心に耳を傾けられていました。また、東珠実会長からは、ACAP消費者問題に関する「わたしの提言」をきかっけとして、多くの人がより良い未来を築くために知恵を出し合い、行動し、「SDGs」2030年の目標達成に近づく大きな一歩となることを願っているとのお言葉をいただきました。受賞者への授与では、消費者庁の伊藤明子長官から最優秀賞・内閣特命大臣賞を受賞した後藤武志さんへ表彰状と副賞が授与され、村井正素理事長からは優秀賞・ACAP理事長賞の天野尚樹さん、入選の梅村萌乃さんと畑里奈さん、大江成美さん、袴着淳一さんへ表彰状と副賞の授与が行われました。
恒例となった受賞者インタビューでは、各受賞者の方から受賞されたお喜びの声や、提言に関するご苦労、ポイントが披露され、列席された来賓、会員の皆様から大きな祝福の拍手が鳴り響きました。
最後に受賞者の皆さんで記念撮影を行い、第35回2019年ACAP消費者問題に関する「わたしの提言」表彰式は締めとなりました。受賞された皆さま、本当におめでとうございました。

受賞者のコメント

最優秀賞 内閣府特命担当大臣賞 

後藤 武志 様
「『わたしの提言』への応募は2回目でした。今年度、工業高等専門学校の学生たちへの技術者教育として、消費者視点から考えさせる授業を取り入れました。NACSが取り上げているテーマから選び、「カセットこんろの事故」を題材としましたが、学生たちも、実際に調べてみて、自分たちが考えてもいなかったようなことが分かったと思います。今年定年にはなりましたが、今後もこうした取り組みを、別な場所でも続けて行くつもりです」

優秀賞 ACAP理事長賞

天野 尚樹 様
「私は生まれつき耳が聞こえないことで、さまざまな苦労を体験してきました。このような想いをしている方々がたくさんいることを理解してもらうために、今回、「ろう者」を代表して提言を行いました。そして、私たち「ろう者」が今以上に住み良い社会で生活していくためには、「聴者」の力が不可欠だと思います。「ろう者」の困難点を「聴者」と「ろう者」がともに協力して解決して行く。このような共生社会を築いて行けるよう、これからも頑張っていきたいと思います」

入選

梅村 萌乃様、畑 里奈様
「私たちは教育学科で、多面的に子どもと社会を見つめる目を養ってきました。現在、社会的に子どもの貧困が問題視されています。その解決のためには、地域や学校などが相互的に協力し、家庭と密に連携することが求められていると思います。今回の私たちの提言が、少しでも子どもたちの希望となり、経済状況に関わらず、胸を張って、夢を語れるような社会になることを心から願っています」

大江 成美 様
「私は、視覚障がい者の方たちにとって、衣服選択がどのようなものなのか、おしゃれを楽しめているのかという疑問や思いから、この研究に取り組んできました。しかし、1つの解決策で全てが解決できるとは考えておりません。先ほど天野さんがおっしゃったように、我々1人1人が障害を理解すること、関心を持ってお互いに助け合うことが、一番大切だと思っています」

袴着 淳一 様
「私は、ファッションデザイナーとして30年以上の経験がありますが、衣類の過剰生産、過剰廃棄の状態をずっと疑問視していました。しかし、中国で計画され、現実に行われつつあるAIを使った革新的な生産方法を知りました。このテクノロージと、オーダーメイドへの立ち返りで、私は、この問題を解決することが出来ると信じています。そして、今回の受賞で、私がそれを実現しなければいけないという使命感をいただいたとも思っています」