Q1. ISOやJISとはどのようなものですか。

A1.

(1) ISOとは
ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)は、国際的に通用させる規格や標準類を制定するための国際機関です。
規格や標準は、関係する組織体のレベルにより制定されています。「社内規格」、「団体・工業会規格」、「国家規格」、「地域規格」(ヨーロッパなどの一定の地域)、「国際規格」等に分類されます。最高レベルである「国際規格」を制定する機関の1つがISOです。
ISOの目的は物資及びサービスの国際交換を容易にし、知的、科学的、技術的、経済的活動分野の協力を助長させるために、世界的な標準化及びその関連活動の発展開発を図ることです。電気分野を除くあらゆる分野の標準化を推進する非政府組織国際機関として1947年に発足しました。(本部:スイス) 
参加は各国の代表的標準化機関の1つに限られており、日本からは経済産業省の一部門である日本産業標準調査会(JISC)が加盟しています。2018年12月末現在会員合計は162か国です。
なお、電気分野の国際標準化を担当しているのは、IEC(国際電気標準化会議)です。

ISOで制定された規格例

  • 最初の制定規格は“工業用長さ測定基準温度”
  • 身近なものの例:ねじの規格、長さ/重さ、紙の大きさ、非常口シンボルマーク、クレジットカード、フイルム感光度 等

従来は技術的規格が主であったが、1990年ごろより、経済のグローバル化に伴い、マネジメントシステム規格が生まれました。特にISO 9000シリーズ(品質マネジメントシステム)、ISO 14000シリーズ(環境マネジメントシステム)規格は関心が高く、世界的に広く普及しています。

(2)ISOとJISの整合性:
各国が国内規格を制定する場合、ISOなど国際規格が既に存在する場合には、これに整合させることがWTO/TBT協定により義務付けされています。
日本の国家規格であるJIS(Japanese Industrial Standard)は、産業標準化法の規定により、日本産業標準調査会(JISC)の審議を経て、制定されます。
ISO規格からJIS規格を作成する場合は、ISO/IEC Guide21に沿って、Identical(一致)、Modified(修正)、Not Equivalent(同等でない)のうちから選択しなければなりません。今回のISO 10002の場合は、国際一致規格(IDT:技術的内容、構成及び文言は一致、又は最小限の編集上の変更はあるがただし技術的内容は一致)が適切と判断し、JIS Q 10002が発行されました。