Q5. ISO 10002/JIS Q 10002の特長はどのような点ですか。

A5.

単に苦情対応のみを目的とした規格ではなく、究極の顧客満足を目指した規格で、顧客ニーズの把握、製品・サービスの改善や業務プロセスの改善への活用、企業に対する信頼の獲得、企業へのロイヤリティー、企業ブランド価値の向上に活かすことが可能です。
また、マネジメントシステムとしてPDCA(Plan、Do、Check、Act)サイクルを回し、継続的改善が実現できるよう設計されています。 規格の特長を以下の通り列記します。

  • 苦情対応のみを目的としたものではなく、究極の顧客満足を目指した規格
    お客様の声を積極的に聴き、製品・サービスの改善や業務プロセスの改善につなげ顧客満足を実現し、これにより企業に対する信頼を得、企業ロイヤリティーの向上、ブランド力の向上を目指すことができます。
  • マネジメントシステムとしての規格
    PDCAサイクルを回して継続的改善をし続ける仕組みを持った規格です。
  • トップマネジメントのコミットメントのもと、全社をあげての苦情対応プロセスについて指針を規定した規格
    トップマネジメントが苦情対応に関して、組織として顧客満足を実現するための方向性を示し、苦情対応プロセスが顧客重視の考え方にのっとる「苦情対応方針」を明確に示すことにより、苦情対応に関連する要員はもとより、トップ以下、苦情対応と直接関係しない全ての要員の責任と権限を明確にします。
  • 抽象論ではなく、具体的なプロセスを重視した規格
    具体的なプロセスを実施するための経営資源の確保、改善への分析評価、監視・監査を実施し、トップマネジメントが主催する定期的なマネジメントレビューを行うことにより、プロセスが適切に運用されていることを確認する規格です。

【解説】

本規格で重要なことは、この規格がマネジメントシステムであることから、組織のトップマネジメントが本規格の意図を正しく理解し、効果的かつ効率的な苦情対応プロセスの計画・設計と実施に積極的に取り組むことです。
トップマネジメントは、顧客重視の苦情対応方針の決定、苦情対応プロセスに必要な経営資源の配分、必要な情報の関係者への伝達・徹底、苦情対応の管理責任者の任命と責任・権限の明確化、内部監査の定期的実施とトップマネジメントへの報告、苦情対応プロセスの定期的レビュー実施等について責任を持ちます。 また、苦情対応の管理責任者、その他の部署の責任者、苦情対応の担当者および全ての要員のおのおのに対して、責任と権限の明確化、必要な教育・訓練の実施、プロセスの監視と記録、報告などについて、明確に定めることが重要です。