Q6. 企業にとってISO 10002/JIS Q 10002を導入する意義(メリット)はどのようなものですか。

A6.

以下に掲げる意義(メリット)が考えられます。

(1) トップマネジメントが顧客重視の苦情対応方針を明確に設定し、その方針に沿って経営資源(人材・教育等)を整備することにより、顧客対応・苦情対応が適切に実施されます。
(2) 顧客の声を積極的に受け入れ、誠意をもって対応・解決し、諸改善に結び付けていくという顧客重視の組織風土を醸成することで、顧客満足を高めることが可能となります。
(3) 苦情対応をマネジメントシステムとして構築し、“Plan-Do-Check-Act”のサイクルを回すことにより、顧客ニーズの把握、製品・業務プロセスの改善、顧客満足と信頼および企業ブランド価値の向上につながります。
(4) ACAPでは従来から、規格への適合性の表明のために「自己適合宣言」をすることを推奨しています。規格への適合性を自己適合宣言することで、費用負担力の低い中小の組織・企業においても導入が可能です。

また、ISO 10002/JIS Q 10002を自己適合宣言することにより、以下の意義(メリット)も考えられます。

(5) トップマネジメントをはじめとして全社的にお客様重視の意識が高まり、苦情への感度が高まり、リスクマネジメントが確立され、お客様対応部門のプレゼンスが高まります。
(6) お客様情報の収集・分析・評価能力のレベルが向上し、お客様のニーズが明確になり、製品やサービス及び業務プロセスの改善が進みます。これによりお客様満足度が高まり、お客様の信頼やロイヤリティ、企業のブランド価値の向上が期待できます。
(7) 不当苦情や難苦情への対応範囲を明確に規定することにより、公平性の高いお客様対応が実現します。
(8) 苦情対応がお客様対応部門のみでなく、全社的な取り組みになるため、お客様対応の品質向上につながります。
(9) 全社の顧客志向意識の向上につながります。
(10) PDCAマネジメントシステムの“しくみ”ができあがり、組織の変更、トップの交代、お客様対応部門や関連部門の人事異動があっても、“しくみ”ができているので継続的展開や改善が可能となります。

なお、お客様にとっての意義(メリット)も以下の通り考えられます。

(1) 本規格の自己適合宣言をしている企業に対しては、お客様は申し出がしやすく、安心して相談できます。
(2) 企業とのコミュニケーションが増し、お客様から提案がしやすくなります。
(3) 企業のお客様対応力が向上するため、責任転嫁やたらい回しされることがなくなります。
(4) 対応の迅速性が増し、お客様からの申し出が反映され、納得のいく対応がなされます。