Q8. ISOやJISの規格で、「認証」とか「自己適合宣言」という言葉を聞きますが、どのようなことですか。違いについて説明してください。

A8.

ISO/JIS規格の中に、組織のマネジメントシステムに関する規格が多数ありますが、規格の目的を達成するための“要求事項”を規定したものと、“指針”について規定したものに大別されます。 “要求事項”(Requirements)について規定した規格には、ISO 9001/JIS Q 9001(品質マネジメント)やISO 14001/JIS Q 14001(環境マネジメント)などがあります。これらの使用目的や規格への適合について、次のように規定されています。

  • ISO 9001:2015/JIS Q 9001:2015
    序文0.1一般 内部及び外部の関係者がこの規格を使用できる。
  • ISO 14001:2015/JIS Q 14001:2015
    序文0.5 適合と評価するにあたり用いる要求事項を規定。

次のいずれかの方法により適合を実証することができる。

1.自己決定し、自己宣言
2.利害関係者に確認を求める
3.自己宣言についての外部による確認を求める
4.外部機関に認証登録を求める

これら規格への適合性の表明は、第一に自己適合宣言によることを示していますが、日本では自己適合宣言をする企業・組織が少ないのが現状です。日本では多くの企業・組織が、第三者である認証機関より監査・認証を受けるのが通例となっています。 一方、“指針”について規定した(Guidelines)規格には、ISO 10002/JIS Q 10002(苦情対応)などがあります。ISO 10002:2004/JIS Q 10002:2005の序文には、「この規格は認証又は契約の目的での使用を意図したものではない。」と規定されており、外部機関による「認証」は否定されていました。ISO 10002:2014/JIS Q 10002:2015及びISO 10002:2018/JIS Q 10002:2019の改正では、序文の上記の記述は削除されました。ACAPは従来どおり、規格への適合性の表明には自身で適合性を評価し「自己適合宣言」をすることを推奨しています