Q3. ISO 10002とJIS Q 10002制定の経緯と、この2つの規格の関係について説明してください。

A3.

(1)制定の経緯
1997年のISO/COPOLCO(国際標準化機構/消費者政策委員会)総会において、世界市場のグローバル化が進むなか、顧客満足を目的とした国際規格の提案がありました。これを受け日本での国家規格策定がなされ、ACAPも参画し、2000年に「JIS Z 9920“苦情対応マネジメントシステムの指針”」が制定されました。ISO作業部会において日本国家規格(JIS Z 9920)も提案し、協議の結果、2004年に「ISO 10002」が発行されました。
この“一致規格”として、「JIS Q 10002“品質マネジメント-顧客満足-組織における苦情対応のための指針”」が2005年に制定されました。これらISOの作業委員会やJIS化原案作成委員会にはACAPが深く関与しました。 現時点で、顧客満足関連の以下の3規格が、互いに関連した規格として発行されています。

  • ISO 10001/JIS Q 10001(行動規範)
  • ISO 10002/JIS Q 10002(苦情対応)—3規格の中核となる規格です
  • ISO 10003/JIS Q 10003(組織外部における紛争解決:ADR)

なおISO 10002:2018/JIS Q 10002:2019で3回目の改正が行われました。

(2)ISO 10002とJIS Q 10002との関係
「JIS Q 10002:2019“品質マネジメント-顧客満足-組織における苦情対応のための指針”」は、A1(2)で記載したようにISO 10002:2018との一致規格(IDT)です。このためJIS Q 10002を採用した場合は、国際規格(ISO 10002)が採用されたと判断されます。
JIS Q 10002を自己適合宣言した場合は、ISO 10002を自己適合宣言したことになります。