Q2. ISO 10002/JIS Q 10002とはどのような規格ですか。

A2.

JIS Q 10002 は、2004年に発行されたISO 10002「Quality management-Customer satisfaction-Guidelines for complaints handling in organizations」を、技術的内容および規格票の様式を変更することなく作成し、国際規格に一致した日本工業規格(当時)「品質マネジメント-顧客満足-組織における苦情対応のための指針」として、2005年に制定されました。
なおISO 10002:2014/JIS Q 10002:2015で第2版の改正が、ISO 10002:2018/JIS Q 10002:19で第3版の改正が行われています。以下は、最新の第3版の規格に沿って解説します。
本規格は次のことを目的としています。「組織、顧客、苦情申出者及びその他の密接に関連する利害関係者に資するよう意図されている。苦情対応プロセスを通じて得られた情報は、製品・サービス及びプロセスの改善につながり、適切に対応した場合には、組織の規模、所在地及び活動分野に関係なく、組織の評価が高まることになる。グローバル市場では、矛盾のない苦情対応を行うことによって信頼を与え、この規格を用いる価値がより明白になる。」
ACAPでは「ISO 10002/JIS Q 10002に準拠したお客様対応/苦情対応マネジメントシステム構築講座」を定期的に開催しています。

本規格は、あらゆる組織で使用されることを意図しており、苦情対応プロセスの設計及び実施について、指針を提供しています。本規格で規定する苦情対応プロセスを実施することにより、以下のことが可能となる、と示されています。

  • 顧客にとって、苦情の申告が容易になる。
  • 苦情を解決する組織の能力を高める。
  • 苦情の傾向判定および原因除去の能力を高め、組織運営を改善する。
  • 苦情解決における顧客重視アプローチの確立及び要員の技能向上を促進する。
  • 苦情対応プロセス、苦情の解決結果及びプロセスの改善に関する継続的レビュー及び分析のための基礎を提供する。
  • 組織に対する顧客の信頼を獲得でき、顧客満足度を高める。

本規格の原案作成に、ACAPメンバーが深く関与しました。ACAPでは、顧客志向を目指す組織にとり、本規格に沿ってお客様対応/苦情対応マネジメントシステムを構築することは有益であると考えています。そのため、ACAPでは本規格の普及・啓発活動を実施しています。