カスタマーハラスメント対策特集

2026年10月1日、改正労働施策総合推進法施行

ACAPでは、2026年10月1日の改正労働施策総合推進法の施行に合わせ、さまざまなコンテンツを提供します。


eラーニング研修

カスタマーハラスメント対策 eラーニング

全役員・全従業員を対象に、法改正への対応と現場での実践を約60分で学べる「カスタマーハラスメント対策 eラーニング」を新たに開講しました。
業務の合間にも受講しやすく、全社研修としてご活用いただけます。

個別研修パッケージ

カスタマーハラスメント対策個別研修パッケージ
お客さま満足の向上に努める中、要求が過剰、不当、理不尽な悪質クレームも発生し、ハラスメントとして応対者の心身にダメージを与える恐れがあります。
この研修パッケージでは、方針・マニュアルの作成の支援、運用に関する相談、個別企業にカスタマイズした研修を一体的に提供します。


コラム

第19回 改正労働施策総合推進法、検討すべきことや留意すべきことについて(公開日:2026年9月) 

今回は、必須の10項目を踏まえ、実効性のあるカスタマーハラスメント対策へ進めるための検討事項と、取り組む際の留意点を解説します。

実態調査報告

カスタマーハラスメントに関する実態調査報告
ACAP研究所の調査から、この2年間で、対応方針やマニュアル、相談体制、研修などの基本的な体制整備が大きく進んだことが分かりました。一方で、整備した仕組みを現場で迷いなく活用し、全社に浸透させるという次の課題も明らかになっています。

ACAPが考える「カスタマーハラスメント対策」

ACAPはカスタマーハラスメント対策を考える上で以下3点を前提としています。

  1. 消費者には「消費者の権利」があり、事業者には「責務」が定められています。
  2. 多くは善良な消費者であり、事業者にはその声を商品・サービスの改善、開発さらには 経営に活かすことが求められています。
  3. 事業者としては、初期対応が重要であり、安易にカスタマーハラスメントと決めつけないことが大事です。

一方、不当要求や行き過ぎた行為が行われ、働く環境が害される恐れがある場合、組織としての対応が必要となります。
お客様と従業員とは対等の関係にあります。お客様の尊厳を尊重するとともに、従業員の尊厳を主張することが求められています。
お客様対応は一人で行うことがあっても、難しいお客様に対しては組織で対応します。従業員を決して一人にしてはいけません。そのためにも対応方針を具体的に掲げ、様々なケースを想定した体制づくりが大事です。
このページでは、カスタマーハラスメント対策の取り組み方を正しく知って、働きやすい環境をつくるために支援を行います。

カスタマーハラスメント対策に関するコラム (ACAP専務理事 齊木 茂人) 

長時間対応、暴言などカスタマーハラスメント(以下カスハラ)が社会問題となっています。2023年秋に労災認定の基準に、カスハラが追加となりました。厚生労働省では事業者に対してカスハラ対策を措置義務とする動きが出ています。このコラムでは、カスハラとは何か、何を準備しどのように対応すべきか、みなさんと一緒に考えたいと思います。

第19回 改正労働施策総合推進法、検討すべきことや留意すべきことについて(公開日:2026年9月) NEW!

前回は、事業主が必ず講じなければならない10項目をお伝えしました。今回は、それらに加えて、実効性のあるカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)対策を進めるために検討すべきことや、取り組む際に留意すべきことについて一緒に考えてみましょう。

【検討すべきこと】

■事業主(役員)がカスハラ行為をしないために

事業主(役員)は、自らも他社の従業員に対する言動について注意を払うよう努めます。取引先などに対しては、常に冷静で穏やかな対応が求められます。業務上であれば、取引先や仕入先、関係者などに対して威圧的にならないことです。また、業務外において、利用者や消費者として企業や行政に接する際も同様です。

従業員がカスハラ行為を起こさないためには、役員などが自らの姿勢を従業員に示すことが大切です。役員や管理職が日頃から冷静で誰に対しても尊重の姿勢を示すことは、風通しのよい職場環境づくりにつながります。

■従業員がカスハラ行為をしないために

従業員は、カスハラ問題に対する関心と理解を深め、他社の従業員に対する言動に注意を払うことが大事です。カスハラ行為とは何かを理解し、そのような行為が自社の企業価値を損なうことを認識する必要があります。

■お客さまがカスハラ行為をしないために

カスハラ方針は、社内向けと社外向けに分けて作成すると効果的です。社内向けは、カスハラから従業員を守ることを経営トップが従業員に示すものです。一方、社外向けは、経営トップがお客さまに向けて、カスハラ行為が発生した場合には毅然とした対応を行うことを宣言するものです。

社外向けの宣言とは、ホームページへの掲載や店舗・施設内への掲示などです。できる限りお客さまの目に留まりやすい場所への掲載を検討します。

前回、方針を従業員に周知することは義務であるとお伝えしましたが、社外向けの方針をお客さまに周知・啓発することは、効果的な被害防止策となります。また、カスハラ方針を公表することは、従業員とお客さまの双方が安心できる環境づくりにつながります。

【留意すべきこと】

■消費者の権利

カスハラ対策を進める前提として、従業員には、消費者法制により定められている消費者の権利や事業者の責務を把握してもらうことが重要です。消費者には、消費者基本法で定められている知る権利、意見を言う権利、選ぶ権利などがあることに留意します。事業者には、消費者に必要な情報を明確かつ平易に提供する責務などがあることも踏まえておくことが大切です。

■障害者差別解消法上の「合理的配慮の提供」

2024年4月から事業者による障がいのある方への合理的配慮の提供が義務化されています。障がいのある方から「社会的バリアを取り除いてほしい」と意思が示された場合には、過重な負担とならない範囲で合理的な対応をすることが求められています(出典:政府広報オンライン)。「合理的配慮の提供」に留意した上で、カスハラ対策を進める必要があります。

■カスハラの発生原因や背景

商品・サービス・接客等における問題や顧客等とのコミュニケーションの不足を防ぐための取り組みが大事です。接客に関しては、対応の不備や、その不備に気づかないまま対応を続けたことが原因で、カスハラに至るケースを多く見てきました。
個人の応対スキルを高めることは大事ですが、問題を個人だけの責任にしないことが重要です。事業主としては、全従業員の応対スキル向上を支援することが大切です。お客さま対応部門だけでなく、営業や間接部門を含めて全従業員の応対スキルを向上させることは、企業全体の価値の向上にもつながります。

■サービス提供の義務等が定められている場合の対応

医療法や介護保険法などの業法によりサービス提供の義務が定められている業種や、サービスが途絶することで利用者等の生命や心身の健康に重大な影響が及ぶおそれがある場合には、その影響を踏まえて適切に対応する必要があります。たとえば、医療、介護、金融、住宅、交通、ライフラインなどの業種です。事業主としては、従業員を守る責務と同時に、利用者へのサービスを継続する責務を踏まえた上でカスハラ対策に努めます。

■最後に

合理的配慮の提供やサービス提供義務は重要な視点ですが、これらに留意した上で、カスハラ行為に対しては適切に線引きを行うことが重要です。カスハラ問題は人の尊厳に関わる人権問題であり、事業主は従業員の人権を尊重した対応策を講じる必要があります。そのためには、これまで当コラムでお伝えしている手順を踏まえた上で、適切に判断することが重要です。

改正労働施策総合推進法が施行される10月1日が近づいています。今回の施行は、中小企業を含めた一斉施行となります。前回お伝えした「事業主が必ず講じなければならない措置」に加え、検討すべきことや留意すべきことも社内で共有してください。

従業員一人ひとりが安心して働ける職場環境をつくるためにも、カスハラ問題への関心と理解を深めることが大切です。 全社的な取り組みとして、自社の対応状況を確認しながら実効性のあるカスハラ対策を進めていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

カスタマーハラスメント対策研修

eラーニングカスタマーハラスメント対策 eラーニング
2026年10月1日から、事業主にカスタマーハラスメント対策が義務付けられます。
大切なのは、制度やルールを整えるだけではありません。役員・管理職・従業員が共通の理解を持ち、正当な苦情とカスハラを適切に見極め、組織として対応できることです。
ACAPでは、消費者対応の実務で培った知見をもとに、カスハラの基本から、難しい要求への対応、相談・社内連携などの組織対応までを学べるeラーニングをご用意しました。
約20分×3編の構成で、業務の合間にも受講しやすい内容です。各編にケーススタディと理解度テストを設け、実際の場面を想定しながら実践的に学べます。
個別研修
パッケージ
カスタマーハラスメント対策 個別研修パッケージ
お客さま満足の向上に努める中、要求が過剰、不当、理不尽な悪質クレームも発生し、ハラスメントとして応対者の心身にダメージを与える恐れがあります。
この研修パッケージでは、カスタマーハラスメント対策研修、カスタマーハラスメント方針及びマニュアル作成等についての相談、アドバイスをパッケージにしてご提供します。
※年間研修スケジュールはこちら

【厚生労働省】

■労働施策総合推進法の改正(令和7年6月11日公布)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00003.html

■顧客等からの著しい迷惑行為(いわゆるカスタマーハラスメント)について
・カスタマーハラスメント対策企業マニュアル
・カスタマーハラスメント対策リーフレット
・カスタマーハラスメント啓発ポスター
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html#h2_free12

■あかるい職場応援団
・カスタマーハラスメントとは
・カスタマーハラスメント対策動画(齊木専務理事登壇)

【消費者庁】

・カスタマーハラスメント防止のための消費者向け普及・啓発活動
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/public_awareness/harassment_from_customer

【東京都】

・東京都カスタマー・ハラスメント防止条例(令和7年4月1日施行)
・カスタマー・ハラスメントの防止に関する指針(ガイドライン)令和6年12月19日
・カスタマー・ハラスメント防止のための各団体共通マニュアル(業界マニュアル作成のための手引)令和7年3月
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/plan/kasuhara_jourei/index.html

書籍:現場責任者のための「悪質クレーム」対応実務ハンドブック

2022年、ACAPに所属する現役お客様対応部門の責任者20名がプロジェクトを結成し、共同執筆しました。各社の豊富な対応経験に裏付けられた実践的なガイドラインです。